それでも歯車は回っていく1 〜ウェルティフル学園編〜

「マナ・マック・クランです。よろしくお願いします。」



私が通った2回目に通った学校も、いわゆる貴族学校だった。国立でもない限り、九割が裕福な家出身だけど、ここは特にそうだった。



私に話しかけてくるのは大抵、クラン伯爵家か特攻隊に入った、当主になった兄が目的だった。



そんな時、こんな話を耳にした。



「やっぱりゲキ様はウェルティフル学園に入学されたそうよ。」



「でも、トップではないって聞きましたわ。」



この学校でゲキ様といえば、アレクシア家の長男にして、兄ラックですらなれなかった希代に名を連ねる天才の上に立つ存在。



「その上の景色…。」



興味と恐怖の間で揺れる中、廊下を歩いていた時だった。



「あなた、ザン様がどちらにいらっしゃるかご存知!?」



顔を知らない上級生の方に、突然声をかけられた。



「い、いえ…。」



「そう。ごめんなさいね。」