それでも歯車は回っていく1 〜ウェルティフル学園編〜

「そ、それはそうと知ってた?フィーさんって全属性使えたって。」



・・・



「まあ、一部で噂にはなってましたよ。だって、精戦祭りの時、紹介になかった氷属性使ってたじゃないですか?」



・・・



「そ、そっか…。じゃあ、あのフィーさんが養子として引き抜かれなかった理由は知ってる?」



「知りませんよ。何かあったんですか?」



あっ、これは発表があるまで秘密だった。



「あっ、いやその、すぐわかると思うからフィーさんに直接聞いてくれると嬉しいな…。」



話が続けられそうになくなった時、突然マナちゃんが、真剣に聞いてきた。



「先輩は、さみしいですか?」



「そりゃあ、卒業しちゃったしね。」



兄さんもフィーさんもいないし。



「そ、そうじゃなくて!その…。」



マナちゃんの顔は少し赤くなっていた。



「大丈夫?熱は…ないみたいだね。」