それでも歯車は回っていく1 〜ウェルティフル学園編〜

「それでそれで!その後どうなったんですか!?」



マナちゃんはとても純粋だった。



「えっと…その時は負けちゃったよ。もう、数秒で……。」



苦笑いしかなかった。



「やっぱりその頃からすごい方だったんですね。」



弟の僕ですら凄いと思っていた兄さんよりも、明らかに凄いと思ったくらいだしね。上を知ったって感じかな。



「その時フィーさんに言われてね

『戦うことは、イコールで誰かを傷つけるわけじゃない。それに救われる人だっているんだから。』

って」



心を見透かされた気分だったな。



「それ以来、こっそり通って色々と教えてもらっていたんだよ。僕が精戦祭りで使った風刃も元はフィーさんのもので、偶々属性も開花、適応して、使っているに過ぎないんだよ。」



「なるほど…要するに、陰キャラしてた先輩はフィーネ先輩と出会って変わったんですね!」



なんか今、なにかがぐさりと効果音付きで心に刺さった気がする。間違ってはいないから、否定もできない……。



「う、うん…。」



僕は素直に認めた。