それでも歯車は回っていく1 〜ウェルティフル学園編〜

その一言で、僕の中の何かが、音を立てて切れた。



「わかりました。」



たかが移動系異能力者に負けるわけがない!フィーネさんは強いと隊長の父様のお墨付きだってあるし、やってやる。



「フィーネは前教えてもらったのを実践な。それじゃあ、始め!」



僕は、密かに練習したあれをやった。



「最上級術式、雷刀!」



基本的な武器の場合は、級が落ちるごとに質や威力は無くなるけど、この歳でのこんな芸当は、希代の先輩方に匹敵する。



「無詠唱できたのか!ザン。」



態とらしく驚いて。知ってたくせに。