それでも歯車は回っていく1 〜ウェルティフル学園編〜

コクリと頷いたフィーネさんは、建物の裏へ僕らを瞬間移動させた。



「フィーネさんは移動系の異能力者なんですね。」



異能力は基本的に一人一つ。例外としてはファレリア様を筆頭にした兄さんも含めた希代や、国のトップクラスくらいだろう。



けどフィーネさんは首を傾げ、父様は少し面白そうにした。



「そっか。ザンは知らなかったんだな。まあいい、とりあえず手合わせしてもらえ。

全力でやって構わないから。フィーネはいいかな?」



「私は構いませんけど?」



「と、いうことだ。」



僕は、父様に逆らうことはしない。



けどいいのか?庶民相手に本気なんて



「ああそれと、本気でやるといい。お前じゃ勝てないから。」