それでも歯車は回っていく1 〜ウェルティフル学園編〜

「様々な経験をさせていただいたこの学園ともお別れですが、私にもやらねばならない最後の仕事とも言えることがあります。

それは


次期生徒会メンバーの指名です。」



その瞬間、会場全体がざわついた。



先輩だとか、優勝者だとか、そんなことは御構い無しにぜひ自分をメンバーにと言われた日々。



その度にゲキやファレリア様に助けてもらっていたけど、これでやっとおさらばできると思うと嬉しいような、逆に寂しいような気もしている。



「意見があるなら挙手をしてくださいと言われたばかりですよ。」



マナちゃんがそういうと、会場内は次第に静かになった。



一年生のはずなのにマナちゃんの発言力は精戦祭り以来、学年関係なく絶大なものになっていた。それだけ、家やラックさんだけではなくマナちゃん自身も認められ始めた証拠なんだろうな。



「それでは、発表をします。

生徒生徒会長、新四年フレア・クオーツ」



三年間一緒に生徒会を経験して、特殊異能力者になったフレア君はメンタル的に人一倍弱いことはわかっていた。



それにきっと、私やファレリア様のように風塵印可の類の術式は使えないだろうから相当大変に違いない。



だったらできるだけ、安心した環境で生徒会を託して最後の一年を過ごして欲しかった。