3年生恒例の長期休暇も終わり、私たちは今、卒業まで二週間をきろうとしていた。



「……今年度の行事も残るは卒業式を残すのみとなりました。」



「以上が報告になりますが、質問のある生徒は挙手をお願いします。」



今は総会場で、生徒会による報告会が行われている。



例年同様メインの報告は第一副会長であるゲキが、司会は庶務長のザンが行なっていた。実質アレクシア兄弟が進行役をやっているという現状。



「それでは、生徒会会長でもあり、TS長を務め、精戦祭り四年間総合優勝を果たしたフィーネ先輩から、お言葉をいただきます。よろしくお願いします。」



ザンもこんなところで安易に私をフィーさんとは呼ぶほど愚かではなかった。



その辺の場を弁えているところはさすが貴族とも言えるんだろうな。



「ご紹介与りましたフィーネです。」



学園内で気の知れた仲とはいえ、庶民と貴族。



ザンが私に先輩とつけただけで眉間にしわを寄せる生徒もいるくらいだし、表面上だけでも敬語を使っておかないと今後に響くと思った。