それでも歯車は回っていく1 〜ウェルティフル学園編〜

「いい、今これ読みたい。」



ゲキの声にもNOを突きつけた。



「そっか…。」



ゲキを無視して本を読み出した。



「その本、フィルが好きだった本ですね。」


ファレリアが後ろから顔をのぞかせた



「そうなんですか?」



「二人の姫が戦い、争う。

けれど最後は国のために力を合わせた。

今、王宮にいない妹はその本を何度も、覚えるほどに読んでいたのですよ。


お母様、ファライア王妃に意味を教えて貰いながら。」



それを聞いた瞬間、フィーネが気付いた。



「この本の後ろ、古代術式が組み込んでありますね。」