それでも歯車は回っていく1 〜ウェルティフル学園編〜

我に返って駆け寄ると弱々しく手を握られた。



「大丈夫よ。私は無茶なんてしていないわ。

一度見たことのある術式に、使えなかったものはなかったのだから。」



「しかし、あの改造精霊級術式はっ!!」



確かに、今のヴィーナス王女は教えられた術式で使えなかったものはないと言われている。



まあ、できなかったことを強いて挙げるなら、術式とは少しだけ異なる術式術具の生成くらいだ。



「何かあってからでは遅いのですよ。」



だがファレリアはいつもと変わらずマイペースと言わんばかりだった。



「心配してくれてありがとう、フィー。」



そして少しだけ、仮眠をとった。