それでも歯車は回っていく1 〜ウェルティフル学園編〜

本人は寂しそうにも、辛そうにも見えないが、連れてこられた4人は察した顔をしていた。



「そんな顔をしないでください。

フィルはまだ私の中で生きていますから。」



笑いかけるファレリアを見て、普段通りを心がけるようにした。



「じゃあ、好きなところに座っていただけますか?」



入ってすぐのところで立ち止まっていた4人を座るよう促した。



「もう一人くる予定なので、ゆっくりとくつろいでいてください。」



そう言われて、3人は普段通り話し出した。



「この本、読んでもいいですか?」



「ええ、ここにあるものは自由に使ってもらって構わないわ。」



一人は本を読み出した。



「フィーちゃんも話そうよ。

王宮はそう簡単に来れるもんじゃないんだから。」