それでも歯車は回っていく1 〜ウェルティフル学園編〜

『これは若者の将来を決める戦いだそうじゃないか。そう安易に終わらせては意味がないというものじゃ。

それに、優勝させたかったのは我も同じ。あの術式発動に耐えたのも汝の中の一種の実力じゃ。自分で勝つことだけが実力とは限らんじゃろ。して、我もまた眠るとしよう。』



そうなのかな…けどやっぱり私自身で手にした勝利と言ってはいけない気がする…ん?っていうか眠る?



「と、言いますと?」



『今日は他でもない精戦祭り(キラエル・フェス)。そういった日でないと今の我は貴様と話すことはできん。なに、またすぐ会うことになる。

本当に我が、必要とされた時に。今日は顔合わせのようなものじゃ、そう深く考えるな。』



だんだん声が薄くなっていった。



「はい…あっ、あと、ありがとうございました。」



『ではまたいつか会おうフィー。

忘れるな。我はいつでも、ぬしの中に…。』



するとマナちゃんとザンは意識を取り戻していた。



「さすがフィーさん、今年はちゃんと実力で負けました…。」



「まさか私が負けるなんて…ウェルティフル学園(ここ)にきてよかった!」



メイン会場には表彰式のために生徒が集まってきていた。実力で負けたわけじゃないって言うべきなんだろうけど、あえてその言葉を飲み込んだ。神にそれも実力だと言われたから。