禍々しい精霊量を感じる。


フィーちゃんの見た目で、フィーちゃんの声をした目の前のこいつは、いったい誰だ。



「我が両腕に宿りし氷の精霊。

その呼びかけに応え、ここに双銃を作り出せ。

最上級術式、氷双銃。」



なぜ、詠唱までしたのにいつもより銃が小さいんだ。



「ほう、水精なしでその大きさか。

まあ、人間でそこまでやれれば良い方じゃな。」



そう、フィーちゃんの体を使っているナニカ(?)が言って右手を横に払うと、氷双銃が本来よりも少し大きめで、明らかに性能が良くなっていた。



「これ…本当に氷双銃……?」



「そうじゃ。それがそれ本来の姿じゃ。ファライアが作った武器を正しく扱えるのは当人か、その力を受け継ぐ選ばれし者のみ。」



っていうかなんなんだよこの状況。なんでこんなことになってんだよ。けど、明らかにわかるのは



「そんなこと知っててその口調。さっき生徒会室で入れ替わったのもあんただよね?あんた誰?フィーちゃんじゃないよね。」



目の前のこいつに俺は、警戒心を剥き出しにしなければならないということ。