sideゲキ



「Aリーグ代表、フィーネ・アルマイラ。Bリーグ代表、ゲキ・アレクシア。」



今年も俺たち4年生の司会はファレリア様だった。ただ、俺にはファレリア様がフィーちゃんを見つめる目がどこか、不安そうに見えた。



「始め。」



「最上級結界術式、水神の聖域(クレイア・サンクチュアリ)」



いきなり結界術式!?普通、無詠唱特殊異能力者同士の戦いでは無詠唱の攻防を予測して、予め武器を生成するはずだ。



それに、無感情な声と焦点のあっていない目で、いきなり…おかしい……



「最上級術式、氷双銃。」



おかしいだろ!!



ちゃんといつも通りに発動させようとしたはずだ。なのに



「なぜでない……。」



するとフィーちゃん…じゃない何かが話しかけてきた。



「考えろ愚かな人間よ。ここは水神の聖域ぞ。無詠唱で我らを使おう何ぞ、人の身に余るて。」