それでも歯車は回っていく1 〜ウェルティフル学園編〜

「どうせ兄さん には使いこなせなかった。剣術重視だったから。」



「バカかお前は!!」



ふてくされた顔で言ったナルに、僕は怒鳴っていた。



「ザン?」



「お前に何も渡してあげられなかった分、せめて何かしてあげたかった親の気持ちが、お前にはわからないのか!!」



うちもそだけど、どうやったって兄の方がよく思われる。



証拠に王妃の武器は兄さんが使っているし、王宮の訓練の見学・参加も兄さんの方が多かった。


武器に関しては僕は銃が使えないわけじゃないけど、兄さんに合っているっていうことは僕だってよく知ってる。それに、戦闘が好きっていうわけじゃなかったから訓練に行かなかった方が嬉しかったけど。



「だとしても、俺はそんなの欲しくなかった。

なんで素直にそう言ってくれなかったんだ!

お前には無詠唱の才能があるって、王妃の武器を与えるって。」