それでも歯車は回っていく1 〜ウェルティフル学園編〜

「じゃあ、今まで俺が無詠唱できたのって…。」



「武器のおかげだと思いながらやってたけど、実際はできたのかもね。無詠唱が。」



ナルの目から、涙がポツリポツリと流れてきた。



「じゃあなんで、ちゃんと俺に無詠唱させなかったんだよ。なんでそんなこと隠してたんだよ。」



僕は、その気持ちがわからないわけなかった。



「長男が一番優秀でないと、その家は没落貴族になる。有名な話だよね。」



そうでないと弟の方に女性が寄ってしまい、優秀な女性は皆兄弟を比べて、弟を選んでしまえばその家の誇りも、信頼も消えてしまう。



「ああ…だからうちはその全てをあの兄につぎ込んできたんだよ。」



でも。と、僕の中には一つの疑問ができた。それは同時に、一つの可能性を導き出した。



「本当に全て、リクさんにかけていたのかな?」