それでも歯車は回っていく1 〜ウェルティフル学園編〜

「フィーネさん、明日以降も来るんですかぁ?」



少し嬉しそうに聞かれて迷うことなく応えた。



「は、はい。休業期間中はできるだけ今日周って、気になったところへ。」



「じゃあ、来るときはこれに連絡してください〜。」



無詠唱の風属性術式によって運ばれてきたのは



「ブレスレット?」



ラックがフィーネに近づき、水色のひし形の装飾部分に手をかざすと、タクトやラックがそれぞれ身につけているアクセサリーも水色に光った。


「それは、うちのメンバーで開発した術具でね。

組み込んである型に手を翳して、伝えたいことを思いながら何かしら術式を使用すれば同系列の飾りにも連絡が来るんですよ。

光の色はそれぞれ違って、フィーネさんは水色です。」



「翳して、ウィンド。」



実際にやってみると本当にフィーネでも光ったようで、証拠に首に掛けてあるラックがチラッと見せてくれた。