それでも歯車は回っていく1 〜ウェルティフル学園編〜

とはいえ幻影を作ったのは恐らく、ゲキの父親ルドガーも認める特攻班特攻隊の誰かだ。



一筋縄ではいかない。



隙はあるものの、まんまとその策略にハマりそうになったり、ときには連携で襲ってきたりと流石のフィーネでも苦戦して……いた?



「お、終わりましたよ。」



フィーネは息を切らして片手を太ももの上に手を置きながら開いた方の手で額の汗を拭った。



「ヒュー。3分22秒。

短剣にしては上出来じゃないかな?」



タクトは口笛を鳴らしてから拍手をした。



一撃も当てられることなく1000の幻影兵士に勝ったことに。



「まあ、入るってなったら僕は認めるよぉ。

フィーさん。」



おっとりしたままのラックのそれははまるで優しい天使の微笑み(エンジェルスマイル)のように手を差し出した。