それでも歯車は回っていく1 〜ウェルティフル学園編〜

「見学者さんだよねぇ〜。

奥を見せておくようにファレリア様に言われているからついてきて〜。」



そういって案内されたのは只の戦闘場だった。



「ここでは何をするんですか?」



すると一瞬で景色が変わり、戦闘員の幻影が現れた。



「とりあえず1000いるけど相手してみて〜。この短剣だけでぇ〜。」



ラックに放り投げられたのは精霊48種のうちの一つ、半月の泉(ハーフムーン)という水色の短剣だった。



「こ、こんな貴重なもの、使っても…。」



フィーネも学校の教科書で48種全てのイラストは拝見(み)たが、実物は今回が初めてだった。



「最前特攻隊ともなると、この国では一人1つは精霊48種のどれかを所持しているのが暗黙の了解で決まっているんだよ。」



隣にいたルドガーは離れながら説明した。



「それにそれは今使い手がいないので安心して使用してください。」