ゲートを通り抜けると、そこはまさにSF。
立ち並ぶビル。ビルに取り囲まれるようにして置かれている噴水。道沿いにはおしゃれな街灯。
創造的な看板たち。
て、テーマパーク?
地面も石畳だしテーマパークを意識してんの?
遠目からみたら近未来だけど以外とファンシーなのかもしれない。

石畳みにはたまに模様の入ったガラスが敷き詰められている。
こ、これは徳川家の家紋……‼
なぜそれをチョイスした日本人‼
何だか不思議な世界観だ……。

学部ビルの玄関の上には電子掲示板が表示されている。
右から左にゆっくりと流れていく仕様だ。

『本日授業は実践。希望する大学内の施設に向かい、勤めること』

と言った具合か。すげー

駐車場から見えた学部のビルは予想を越えてはるかに高かった。
まるで会社名みたいに玄関口の側に
学部名が書かれている銀のプレートが設置されている。
張り巡らされていたあの無数の通路には、
地面からエスカレーターで繋がっていた。

ショッピングモールよりもすごい。
まるではしごのようにエスカレーターは繋がっている。
もう上の方なんかいったら、通路が蜘蛛の巣の形をしているのね。
なんだ此処は。

前文で言った通り中心を開けるようにしてビルはたっている。

十二角形で、うち十個がビル。残り二つが大学の入り口と奥のフロアに続いている。

藍川さんが僕を見た。

「斎藤くん、朝ごはんちゃんと食べてきた?」

僕はいえ、と首を振った。

朝ごはん、滅多に食べないよ。
昼飯までの間食はするけど、食べる間があったら眠りたいです。

藍川さんはそっか、と言う。

「じゃあ、何処かで食べない?
授業開始まで一時間ほど時間があるから、良かったら食べて行きましょ!」

「え?」

それは良いわね藍川、と辰岡さんは頷いた。

「今日は私が奢るわ。しっかり食べて授業に挑みましょ。」

「やった!辰岡先生、ありがとうございます!」

きゃっきゃとはしゃぐ藍川さん、可愛い。
じゃなくて、
まさか来て始めに外食なんて……

えーと、ごっつぁんです。