これではどっちが姉なのか分からないと思いながら優しく薫子に言った。 「そうよね。優介さんはいつまでも生きるわよね。ごめんなさい夜遅くに。おやすみなさい」 それでも薫子は目に涙を溜めながら何度も優介を振り返り振り返り、やっとの事で部屋を出て行った。 それを見送ってから優介は出した紙などをしまう。 遺書はまた別の日にゆっくり書こう。 何も書き残すことのないように。 そして眠りについたのだった。