鼻の奥がツーンと痛み、そのまた奥の方がみるみる熱を持つ。 その熱が瞼の裏に、すごい勢いで押し寄せる。 嫌だ!信じない! ハルのあの言葉の意味もちゃんと聞いてないのに、このまま居なくなるなんて、許さない! アキは瞬きを何度かすると、腕で瞼の上をゴシゴシ拭う。 身体中の力を奮い立たせるように、強い力で地面を蹴ると、再び走り始めた。