「何だって?!時空を超えた?そんなバカな話…」

「フッ…。お前らが言うところの現実離れしたバカな出来事が、今、目の前で起きているだろうが…」

男はわざと口角を上げ、牙を剥いて笑ってみせた。

「お前、本当に…吸血…鬼…」

「ああ…そうだ」

「アキは?!アキが来たのは、店の人達が消えてからだったよな。アイツにもお前、何か…」

「彼には何も手出ししていないさ…。
しかし、お前のことを酷く心配していたからな…お前を追い掛けてここまで来るかも知れないな。
誤算だったな…彼はあちらの世界に置いて来るつもりだったんたが」

「何を訳のわからないこと言ってるんだ!アキはお前を知ってるみたいだったな。いったい何者なんだよ?!
俺達を…どうするつもりだ?!
血が欲しいのか?
二人とも殺すつもりなのか?
頼むから…アキには手を出さないでくれ」

ハルは、青ざめた表情で懇願した。