「ねぇねぇ…。ハル、どこ行ったのかな」

料理を美味しそうに頬張っていた美希が、ふとナイフとフォークを止めて、友人達に問い掛ける。

梨香と菜穂子は、ハルが座っていた席を観葉植物越しに目で探した。

「どこって?あれ?居ないね。お手洗いでも行ったんじゃないの?」

「ん~~…。だって、居ないのに私が気付いてから、結構時間経ってるんだよね」

美希が不審そうに答える。

「そうなの?そう言えば、アキも後から来るとか言ってたけど、来てないよね。バリバリの変装して入って、私達が気付かなかっただけ?」

「あ、あれじゃない?VIP席とか個室に移ったとか…。正面は目立つから、アキは裏口から入ったんじゃないの?」

梨香に続き、菜穂子が続ける。

「なるほど~。そうかもね。私達みたいなのに見つかって大騒ぎになるといけないから?
芸能人は大変だなぁ…」

「どの口が言ってんだ?」

美希の言葉に、梨香がツッコミを入れると、三人は楽しそうに笑い合う。


「美希、ラッキーだったよね」

「うん!会えただけでも嬉しいのに、ハル、すっごく優しくて素敵だったし。
それにお料理もすごく美味しい!
この店に来て良かった~!最高のクリスマスだわ!」

「ね~!良かったよね!」