アキ、アキ…。
俺は暗闇の中で、その愛しい名前を何度も呼び続ける。

ごめんな…
絶対に言葉にするつもりなど、
伝えるつもりなどなかったのに…。

もう二度と会えなくなるのかと思ったら、
どうしても抑えることができなかった。



今、俺はどこにいるんだろう?
この身に何が起こっているのか、全く想像もつかない。

身体は動かない。
暗闇に包まれて何も見えない。
さっきの騒動がまるで嘘のように、とても静かだ。
誰の声も、ほんの些細な音でさえも、何も聞こえて来ない。


ただ自分の意識の中だけで、お前に語り掛けてる。

けれど、いくら語り掛けても、おそらく届きはしないのだろう…。



それでも、ただ言わせてくれ。
アキ、お前を、愛していたんだ…。



       ~第二章へ続く~