ガターーーン!!!

突然荒野のように姿を変えてしまった街を目にして呆然としていたアキの背後で、今度は店の扉に、中から何かが激しくぶつかる音がした。


店の中で何が……。
この扉の向こうに、ハルがいる筈なんだ。
いったい何が…起こっているんだ?!……


アキが残りの階段を駆け上がり、ドアの前に立つと、つい先程そこにいたボーイの姿はどこにも見当たらなかった。

重厚な木製の扉に手をかけると、ふとその手を止める。


ドアの隙間から、僅かに冷気が漏れて来る。
ただならぬ雰囲気を感じたアキは、中の様子を伺いながら、ゆっくりと重い扉を開けた。