落ち込んだ表情のハルが、何かを思い出したように急に顔を輝かせ、アキの肩を叩いた。

「そうだ…せめてクリスマスの雰囲気だけでも…。
ここからだと大通りのイルミネーションが見えるんだ」

「いや、ハル…だから…」

アキが何か言おうとするのも待たず、ハルは嬉しそうにアキの両肩に手を掛け後ろから押して、この部屋で一番大きい窓の前へ立たせた。

「あ…、…消えてる」

「そりゃ、そうだろ。だからもうクリスマス終わってんだってば」

「そうだった…。
何だよもう、アキと過ごすクリスマス楽しみにしてたのに、そこだけ飛び越すとかあり得ねぇ」

露骨にガッカリして項垂れると、アキの肩に背後から額を乗せるハル。



「あ、でも…。よく見てみなよ」

そう言って、アキは自分の肩の上にあるハルの頭を軽くポンポンと叩いた。