「あ、はい。ハルも僕も大丈夫です。
ご心配かけてすみません」

アキがスマホの通話をスピーカーに切り替えると、ハルの目の前に突き出した。

「ハルです。僕も大丈夫です」

「あ〜…とにかく無事で良かったよ。本当に心配したんだよ!
酷い目に遭ったんだね。まさかあのデイビッドさんに拉致されてたとは!
暴行されて怪我してるって聞いたけど、どんな具合なんだ?大丈夫なのか?」

「はっ?!拉致…暴行…??」

マネージャーの話がよくわからず、アキはハルの顔を見ながら呟く。

「何だ…それ?あ、でも、事実だし。
いや、むしろ殺人だし。
ま、生き返ってやったけどな」

「ハル、うるさい」

小声でブツブツ言ってるハルをアキが一喝する。


警察にそういう事情説明の通報があったと聞いて、助けてくれたあの車の男性のによるものだとすぐにわかった。


明日のライブ前までに二人が戻らなければ、帰って来るのを待って延期にする決断をしたということを聞いた。