Phantom (ファントム) ~二人の陽人〜



「は?何それ」

「え、ヴァンパイア情報」

「お前、サラッと怖いことを…」

「いや、もうそんな言い方でもして、ヘラヘラ笑ってない限り、思い出すと怖過ぎて吐きそうになるもん…」

「ごめん…そうだよな。俺なんかよりハルの方が、想像つかないくらい何倍も怖ろしい目に会って、痛くて苦しい思いをしたんだもんな」

「でもあの店、内装やインテリアなんかも、すっごくセンス良かったぞ。
もう安全なのわかったし、仕切り直しで今度行く?」

「いや、もうトラウマだろ。
ハル、もう無理して平気な振りなんてしなくていいよ。
忘れよう?
あれだけ酷いダメージ受けて、すごく難しいことだと思うけど…忘れるように頑張ろう?
二人でならさ、できるよ…きっと」

「うん、そうだな。一人じゃないもんな。心強い。アキが側に居てくれるなら俺は、何で…も…」