赤く染まったシャツや、土に汚れ枯葉の欠片などが絡みついたジャケットなどは、倒れ込んだ廊下のあたりに散乱していた。
朦朧とした意識の中で、無意識に脱ぎ捨てたのだろう。
目が覚め意識がはっきりしてからそれらを見た時、あの場所での惨劇が蘇り、身震いがした。
経験した何もかもが、有り得ない出来事だった。
窮地を救ってくれたあの男性が
「何が起こっても不思議ではない」
と言った言葉でいくら納得しようとしても、居るべき場所に戻って来た今となっては、余計に実感がない。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…