そして、もし、戻ることができたなら…
その場所以外にも、もう一つの輝く世界を持つことができた筈なんだ。
叶うことは絶対にないと、自分だけの心に封じ込めていた想い…
近くにいればいるほどだんだん苦しくなって行った。
多分、俺は初めてアキに会った頃から、特別な意味で彼に惹かれていたんだ。
だけど、絶対に気付かれてはいけないと思った。
気付かれたら最後、折角築き上げたこの信頼関係は、簡単に崩れてしまうと思った。
友達でさえ居られなくなるのは絶対に嫌だ。それなら頼りにされる親友に徹するしかない…と。
けれど、アキもその同じ想いでいてくれた。
二人で生きて行きたい…
そうできたなら、どんなに幸せなんだろう…。