俺だってそうだ。
誰でも名前を知ってるような雑誌のページに、最初から登場できるんだと勝手に思っていた。
けれど、最初は何か訳のわからないカタログで、趣味の悪い服を何着も着せられ写真を撮られた。
やっと若者が知ってるかも知れない、という程度の雑誌に出られることになった時も、喜んではみたものの、女の子のデート服企画の彼氏役で、俺は後ろ姿だけだった。
腕時計の腕だけ、とか、靴の足元だけ、なんてこともあった。
勿論、小さな仕事から頑張って来て、何とか力をつけて行き、芸能関係者や世間に認められて行ったからこそ、今の地位をどうにか築けて行ったのだ。
ここまで来る道程を、アキと俺は、励まし合い、支え合って乗り越えて来た。
認められて行く喜びも、分かち合って来たのだ。

