けれど可笑しかったのは、彼も同時に同じセリフを口にしていたことだった。
勿論、それは身長のことだとすぐにわかった。
小学校の頃から大きい方で、高学年になる頃には “ 背の順の並び方 ” になると、常にクラスで一番後ろだった。
身長が高いという理由で、中学ではバレーボール部に引き入れられた。
そのメンバーの中でも特に大きくて、『電柱』だの、“ お前が目の前に立つと暗くなる ”だの、散々言われて来たんだ。
だから、そう言われるのには、慣れていた。
挨拶をきちんと交わす前に、同時に同じ台詞を吐き、気まずさにお互い苦笑いを浮かべる。
それで少し緊張がほぐれたような気もしたけど、彼はそれから俺の目をあまり見なかった。
あんまり気が合うタイプだと思われてないんだろうな…
無口で、自分から話し掛けて来ることもなく、ちょっと斜に構えてる感じがしたからそれきり打ち解ける雰囲気にはならなかった。
しかし不思議なことに、その後、何度かレッスンで顔を合わせたり、一緒に仕事をするうちに、いつの間にか一番気を許せる相手になっていた。
今でこそ同じように雑誌に載ったり、映画やドラマに出たりしているけれど、
スタートした時は職種が違っていたので、知らない部分が多くて、だからこそ興味も湧いて、話が弾んだ。
全く同じだとライバル視してしまうところだが、そうはならなかったのが良かったのだろう。

