初めてアキに会った日を、今でも鮮明に
覚えている。
街でスカウトをされて数週間後、芸能の世界に足を踏み入れる決意をした…
あれは高校の入学を間近に控えた春休みのことだった。
事務所と正式に契約後、呼び出された俺は、社長の話を聞きながら彼を待っていた。
「これから君に会わせようと思ってる子はね、読み方は違うけど、君と同じ字の名前なんだ」
社長はそう言いながら、応接室のテーブルに指で『陽人』と俺の名前を書いた。
「こう書いて、彼の場合は『あきと』と読む。日浦陽人くん。名前、聞いたことないかい?」
「え?あ、いえ…」
質問の意図がよくわからず、返事に困ってしまう。

