その様子を怪訝そうに見ていたハルが、いきなりアキの手首を掴んだ。

「アキ、何だよ、この傷!ザックリ切れてるじゃないか!」

ハルの言葉に、自分の掌を見る。
あの時、コウモリの羽で切った傷…。
重い扉を開けて深い森に飛び込んで転んだ時に、さらに開いてしまったあの傷…。
それがアキの掌に、斜めにしっかりと刻まれていた。



ハルの首筋の傷と、自分の掌の傷…
二人の傷跡が、悪夢のような出来事は現実だったことを証明していた。

しかし、結末は…
ハルが命を落としたという結末は?…



いったいどうなってるというんだ…?