真っ暗な闇の中で、泣き喚きながら必死にもがいていた。
声は枯れ、身体が壊れそうなほど、泣き叫んでいた。

なのに自分のその声は、暗闇に吸い込まれて聞こえない。
まるで自分の心と身体の中だけで、暴動が起きているみたいだ。


誰もいない。だだ一人…。

何も見えない。
何も聞こえない。



その暗闇に、頭上から一筋の光が届いて来る。
けれど、それはスポットライトのようなものとは全く違い、あまりにか細く、儚い光だ。
いくら上に向かって手を伸ばしても、その場所はとてもとても遠い…。





「・・!」

遥か彼方から静寂のトンネルを伝って、何かが聞こえた。

「アキ?!」

誰かが俺の名前を呼んでいる?


…ハル?
…確かにハルの声だ…

いや…でも、そんな筈はない。
だってハルはもう…


「アキ!アキ、目開けろ!」

確かにハルの声だ。
…嘘だ!
…ハルが… 生きてた?!…

…本当に?!…

…良かった…



ハルが…… 俺の名前を呼んでいる。