「大丈夫だよ。二人とも有名人で誰でも顔知ってるんだからさ…
逆にニュースでこんなふうに報道されたから、みんなが関心持つでしょ?
そのうちきっとどこかで目撃情報が出て来るよ」

「そう…だよね?」

不安を隠せない想い、祈ることしかできないもどかしさを乗せて、電車は走る。

多分、美希達だけではない。
日本中に報道されてしまった以上、彼らの無事を沢山の人達が沢山の場所で祈っていることだろう。

暖かい車内の窓ガラスの外は、夜の色が広がっている。
街の灯りは遠くに見えて、うっすらと白で覆われた地面を見下ろす街灯が所々に点在していて、小さな灯りを放っていた。



       〜第三章に続く〜