ライブメンバー・リーダーの青木が静かに口を開く。
「二人を抜きでやるのは、僕は反対です。
確かにみんな一生懸命練習して来たし、メンバーは20人居る。決して彼らのカバーをできなくはない。
僕は彼らより先輩だし、このライブだって、回数こなしてる。
ハルとアキの人気に頼ってるつもりもないし、僕たちだけでもできる自信はある。正直、中止は悔しいです。
でも…
今はこのライブのお客の中で、彼ら二人のファンが多数を占めてるのは現実ですし、その人達をガッカリさせたくない。
だって何も知らずに明日会場に来て、彼ら二人だけの出演がないことを知らされるんですよ。
“ ハルとアキが出ないなら、観ても仕方ない ”
と悲しみながら帰る人もいるでしょう。
今はチケットを取るのも結構激戦だって聞いてます。
仕方なく残って観たとしても、僕らの中にハルとアキの姿がないことに余計に気持ちが沈むと思います。
歌手でもダンサーでもない僕らが、歌ったり踊ったり…なんて姿、普段は観られないんです。
一年に一度なんです。
“ だからそれをすごく楽しみにしてるんです ” って、僕を応援してくれてる子が以前言ってくれました。
そんな気持ちを大切にしてあげたい。
そう思います」

