Phantom (ファントム) ~二人の陽人〜



しかし、いくら待ってもハルとアキは現れない。
明日の本番前になっても二人が不在ならば…
その時のことを考えて、それなりの対策を講じなければならない。
そこで出演メンバー全員と、事務所側の関係者が集められた。


「でも…決行したところで、お客さんにどう説明するんですか?
最悪どちらか一人なら、“ 体調不良 ” とか理由付けできるけど、二人ともじゃ不自然ですよね?」


「どっちにしても説明は要る。
“ 移動中の交通事故 ”
“ たまたま二人が同じ車に同乗していた ”
“ ファンの人達が心配しない程度の軽い怪我だが、ステージに立つのは今は難しい ”
この理由で切り抜けるしかないと思う。
ありのまま、“ 行方不明 ” だなんて言えないからな…。

あとは決行するか、どうかなんだ。
会場も抑えてある訳だし、キャンセル料とか、チケットの払い戻しも出るとなると、損害は大きいからなぁ…

しかしそんなことよりも、本当に何があったんだ…。
大事になってないことだけを願うよ。早く安否だけでもわかるといいんだが…」

事務所の責任者が頭を抱える。
そこにいる全員の中に重い空気が流れた。