いつしかお互いにカバーし合う行動もしっかり身についてしまった。


以前アキが、映画の打ち上げを終えて、キャストやスタッフと店から出て歩いている写真を撮られ、相手役の女優と『熱愛 』などと報じられた事がある。

一緒に行動していた仲間が何人もいたのに、たまたま隣にいた女優と顔を見合わせて言葉を交わしていた瞬間を撮られ、しかも周りにいた人間はすっかり切り取られ、“ 仲睦まじい二人 ” の画像が出来上がっていたのだ。
『捏造』にも程がある。


その報道がされた翌日、たまたまテレビの取材があったハルは、この件について質問を受け、その場であっさりネタばらしをして、笑い飛ばしてくれたのだった。



デビュー当時の、“ 二人一組 ” みたいなイメージが、こういう時は役に立つみたいだ。
何かあれば、当然のように、
「聞いてましたか?」
「どう思いますか?」
と、お互いのことを聞かれる。

腹が立つ事も、弁明したい事も、
“ お互いをよく知る人 ” が語った方が、角も立たず、信憑性もある印象を持たれるらしい。


「頑張った仕事が思うように評価されない」
「言動が誤解されてバッシングされる」

公の場に顔を晒しているにも関わらず、自分の意志を万人に伝えられる訳ではない立場…悩みを抱えることも少なくはない。

気持ちを理解できるからこそ、今となっては、二人は公私ともに支え合っている関係と言えるのだ。