「とにかく今はまだ何もわからない状態です。
確証のない事で要らぬ心配をしても仕方がありません。もう少し時間を置いたら、もしかして戻られるか、何か事情がわかるかも知れませんので…。
お客様は、この後のご予定もあるでしょうし、これ以上お引き留めする訳には行きません。
お話をお聞かせ頂き、ありがとうございました」
「でも…どうされるんですか?
そりゃ何事もなく戻るか何か連絡があれば良いですが、そうじゃない場合は?…」
菜穂子が美希をなだめるように背中を擦る隣で、梨香が店長に尋ねる。
「そうですね…。ただのキャンセルとは事態が違うようですので…
もう少しお待ちしてみて、何も変わらないのであれば、警察に届けるしか…。
実際、財布や携帯の入ったバッグも残されてる訳ですし…」
「そうですね…警察にお任せするしか…ないですよね?」
「美希、じゃもうホテルに戻ろ…。これ以上ここに居ても…」

