「第三者が意図的にシェフや君達の目を盗み、隙を突いて…なら、可能性はなくはないが…」
「え?…誘拐…とか、拉致…ってことですか?…」
その物騒な言葉を口にすることに、違和感を覚えるような言い方をして、ウエイターの水島は凍りついたように店長の目を覗き込んだ。
「そんな…こと…」
震える声で言った後、美希はヘナヘナと床に座り込んでしまった。
「美希!」
梨香と菜穂子が、しゃがみ込んで、美希の肩を支えた。
「あぁ、申し訳ありません!出口のない状態で居なくなられたので、可能性の一つとして考えただけです。
そんな事件性のある事例だと決めつけた訳では…」
店長は、慌てて取り繕いながら、美希らをなだめた。

