「えええ!?まじで!?」


ポテトをつまみながら話すあたしに奈美は驚きの声を上げた。



今日は、入学式のあとはホームルームがあってすぐ下校。


奈美に、『やばいことがあった…』と告げると、私の顔をジッと見て何かを察してくれたらしく、『じゃあ奈美ちゃんが帰りにマックのポテトを奢ってあげよう!ついでにそこで話を聞いてあげよう!』と言われ、今に至る。


「いきなり出会ったイケメンにキスされるとか漫画かって。そりゃ桜も驚いた顔するわけだ」


「ほんとだよねえ…あぁ、無理にお礼するなんて言わなきゃ良かった…」


答えながらポテトをひとくち。

「そのイケメンくんってもしかして、城木くん?」

いきなり名前を出されて飲みかけていたジュースを吹きそうになる。


「え!?奈美、なんで知ってるの!?」

「ええ!?逆になんで知らないの!?朝からみんな騒いでたじゃない!新入生にイケメンがいるって!そのうちの一人が城木くんだよ!」


知らなかった…どんだけうといの、あたし…



「そんなすごい人とあたし、キスしちゃったのか…」


もちろん、キスが初めてなわけでもない。
中学の時には付き合ってた人だっていたから。

それでもやっぱりキスとかって大事にしたかったから…


「まあ、されちゃったものはしょうがないし落ち込んでないで気にしないのが1番!」


奈美が元気づけてくれる。


「そうだよね…うん!気にしない!」

そうだ。いつまでも気にしてたって仕方ない。

「ポテトも食べ終わったことだし、そろそろ帰るか!」

「そうだね!!」

そう言って奈美と家路についた。