アンジュと記憶都市

「その代わり…と言っては、誠(まこと)に申し訳ないのですが…









記憶都市メモリーに来ていただい
て、





救世主となって欲しいのです!!!



単刀直入に言います、




助けてください!!!!!」





「……へ?」

私はまた間抜けな声を発した。



「えっと…私の住んでいる記憶都市メモリーは、私の世界は、大変な事件に巻き込まれているのです!このままでは、秩序が乱れ、こちらとむこうのバランスが崩れ、、このままじゃ、記憶図書館と、記憶都市メモリーが滅びてしまうのです!!


このピンチを救えるのは…




ニンゲンの子供…




その中でも…




アンジュ様、貴女だけなのです!」






「ふぅーん………って、えええええええええええ?!!?!何で、私?!」

その声にミルキーはビクッとした後、視線を泳がせる。

「なんで…、と言われましても…説明が、難しいですね…、分かりやすく言えば、すなわち、そのオルゴールを持っていた。から、でしょうか?」

うん、さっぱり、
分からない。

「それで……どうでしょう?救って頂けますでしょうか?」

不安そうにミルキーは私も見つめた。
思わず私は気まずくなり視線を逸(そ)らす。



そして口を開いた。




「私は…


私は、何か、特別な事ができる訳じゃない。オルゴールを持っていただけで、『普通』の女の子なんだよ…?突然現れて助けてと救いを求められても……私にはさっぱり分からないし…私には何もできないわ。困るだけなの…怖いし…帰って…

ごめんなさい。」

ペコリと私は頭を下げる。

その時

ミルキーの顔が徐々に紅潮し
エメラルド色の瞳からぼろぼろと大粒の涙がこぼれた。

「ごめんなざいッッ…!!突然言われても困ってしまうのは当たり前ですよね、…でも、アンジュ様?『普通』の女の子は、世界中どこを探しても居ません、それぞれ、特別な存在なのです。それに、アンジュ様はアンジュ様なのです。


アンジュ様にか出来ない事が…ッ、あるのです!」

こぼれる涙をハンカチで拭いながらミルキーはそう言う。



私にしか、出来ない事?


そう言えばミルキーは言った。
記憶都市メモリーを救えるのは、私だけだと。
逆に考えると私が救わなければ…



ミルキーの住んでいる世界が
記憶都市メモリーが
滅びてしまう。という事。


ミルキーの愛する人々、
家族、仲間、友達、全てが
死ぬ


思わず、ぞっとした。

ミルキーはどれほどの思いでここにやってきたのだろうか。

…助けなきゃ、守らなきゃ

目の前に困っているミルキーがいる。

助けられるのは私だけ。

お姉さん、だもん。怖くないもん。

いや、ちょっぴり…、怖いかも。