サラのご飯は、とても美味しい。そして、見た目もいい。彩りが鮮やかだ。
例えるならば、サラの作ったごはんを見た瞬間「ぐう」とお腹が鳴ってしまうほど。…いや、これは例えなんかでは無かった。

食べる前、イスに座った瞬間私のお腹が「ぐう」となっていた事を思い出す。

今日のごはんは、実の中にニンゲン界での「ひき肉」にそっくりの果実が入っている「ニクの実」のミートボールと、エビ、イカのようなものが和えてあるすぶたのようなりょうりと、パン、サラダ、コンソメスープ(のようなもの)だった。

「二人が来てくれてうれしいわ。お料理は好きなんだけど、なにしろ、一人だから多く作っちゃってもなかなか減らないのよ。」

と言いながらサラはトングでサラダを取り分ける。

すると急にミルキーの頬がどんどん赤くなる。

「あ〜っ!!アンジュ様をお連れしたら、すぐ帰る予定でした!!長居しちゃって、お昼まで…!!」

…え?今頃??
というか、ミルキーそのうち帰っちゃうの?
さみしい気持ちがじわじわ広がる。

「あはは!!!何?気にしてたの?別にいいのに!あ、アンジュと仲良いみたいだし、アンジュが居る間くらい泊まって行きなさいよ。アンジュの所の部屋のとなり空いているから、そこの部屋の本とか片づけとくからさ。ごはんも一緒にに食べましょ。」

ミルキーがぷるぷる震える

「い…いいんですかぁぁっ?!!」


…すっごい嬉しそう

サラは豪快に、うわははっと笑う。

なんだか、これから楽しくなりそうだ。

とても美味しいごはんをもぐもぐと食べていると、サラはとんでもないことを言いだした。

「ごはん食べ終わったら、今日、セント様のお屋敷に呼ばれているから、準備しなきゃなんだけど…ミルキーも呼ばれているのよねー。」

私はサラを見る。

…え、今日?!
私、もうちょっとゆっくりしてたいんだけどな。

「そうなんですよね!!「「メシア」」として、やって来たアンジュ様の歓迎パーティー、そこで、アンジュ様のスピーチ。そして、セント様から、アンジュ様に神器が贈呈されるとかなんとか…。」

ミルキーを見る。

私はカシャン、とフォークをテーブルに落とした。

パーティ?!?!!スピーチ?!?!!!!神器??????!

「うえええええぇ?!!」

私は叫んだ。