キッチンには、見たことの無いお料理器具がずらりと並んでいて、壁には、フライパンやおたまなど、ニンゲンに馴染みのなる物によく似た道具がかけられていた。キッチンの棚には、数々の食器やラベルのついたオシャレなビンにつめられたハーブや、ジャム、ソースがずらりと並んで綺麗に収納されている。

そこでサラは赤いギンガムチェックのバンダナとエプロンをつけて、重そうな大きな中華のフライパンのようなものを持ち上げてふるっていた。

火柱が、ぶわり、と上がる。

おおお…すごい…。シェフみたい…。

かっこいい。

サラの口元は、かすかに笑みを浮かべている。楽しそうだ。

サラは火を止め、お皿に料理を盛りつけ始める。そして、お皿を運ぶところでやっと私達に気がついた。

エプロンとバンダナをら外しながら、サラは言う。

「あら、アンジュ、ミルキー、来ていたの。丁度、お昼ごはんが出来たから、手を洗ってイスに座っていて。アンジュ、よく眠れたかしら?」

「うん!!もうぐっっすり!…あ、サラ、ベッドに運んでくれてありがとう。」

サラは、「いえいえー。」と言った後、お昼にしましょ。とテーブルにランチョンマットとフォークとスプーンを並べた。