「全く…仕方ないわね。メモリは確かにニンゲンの空想から生まれるわ。でも、どのように生まれるか、の答えにはなってないわ…
本を見て」
サラは本を指差す
その時挿し絵がまるで動画のように動き出す。
「記憶都市メモリーには、ヒューマンブレイン・メモリライフツリーという大きな木があるわ。長いからみんな『生命の樹』なんて読んでるけど。そこにニンゲンが空想の生き物を考えたら、そこに果実がなるわ。まるでニンゲン界のリンゴのような果実よ。」
すると挿し絵に描いている巨木からリンゴにとても似ている果実が実り、膨らんでいく。
「それが熟れて、『生命の樹』の根元に広がる『生命の泉』にその果実が落ちた時…その果実がメモリの赤ん坊として生まれるわ。」
その時、紅いリンゴのような果実が、光り輝くエメラルドグリーンとブルーグリーンを混ぜたような透き通った色の泉に落ちた。
すると、天使の様な翼を持った小さなツノの生えたメモリの赤ん坊が浮かんできた。
翼は身体と同じくらいの大きさだ。
そこへ、女性らしいサラの様な姿をしているメモリがゆっくりと歩み寄り
泉の中へ水面を揺らしながら入っていく。
そして柔らかなタオルのような布でメモリの赤ん坊を抱き上げた。
凄く…美しい……。神秘的だ。
