それから、私とミルキーとサラはお喋りを楽しんだ。


私はエレメンタリースクールの入学式があった事などを二人に話した。
もちろん、ママが切ない顔をしていたことや、パパが亡くなっていることは言わなかった。心配かけてしまうだろうから。

話の合間で、二人は頷いてくれたり、笑ってくれた。
サラとミルキーは話の合間で顔を見合わせ「優しい子に育っていてよかったね」といった。

話の途中で二人が質問してくれる事もあった。それは、ほとんど私の事だったり、私を心配する内容のものだった。

こんなに会ってから短期間で馴染んで沢山の事を話せるのは初めてかもしれない





と思っていると、

サラはティーカップの中のお茶を飲み干した後、どこかへ行ってしまった。


それからサラはすぐに現れ、アイシングがとても可愛らしいクッキーが入った入れ物を持って現れた。

「わぁぁっ!すっっごく美味しそう!」

私は歓声をあげる

「アンジュが来たらすぐに出そうと思っていたんだけど、なんだか楽しくなっちゃってて、すっかり忘れていたわ。ごめんごめん。」

そういうとサラは快活に笑う。

そこへミルキーが乗り出すようにしていってくる。

「もしかして…!この前、買い物に行って、ずっとキッチンに立って作っていたのってこれ…?アイシングもなんだか女の子が好きそうなやつですし、アンジュ様の為に作ってい…

んぐぐぐぅ?!」


するとサラは真っ赤な顔をして、ブタウサぁぁぁ……!!!とミルキーの口を塞ぐ。
ミルキーは苦しそうに、ぱむぱむとサラの腕を叩いて、ごめんごめん!というとため息をついて、「ほんっとデリカシーのないんだからー」とため息をつきサラは手を離した。


そんな二人の様子を見て私は「あはは…。」と苦笑する。


二人はとても仲良しなんだなぁ。



クッキーを摘んで見つめてみる。
ピンクや白色とりどりのアイシングでハート形やドット、レースのような飾りが施されている。それでいて派手すぎず、美味しそう。

ミルキーが言っていたことを考えると、おそらくこれは、サラが『私の為に』作ってくれたものだろう。


サラはすごく女性らしいし、器用だなぁと思う反面。

私が来ることを楽しみにしていてくれた
ような気がして…


しばらくクッキーを見つめ、思わずにやけてしまう。