「あ、そういえば、ミルキー、アンジュになんでメモリーに来てもらったのかは話したの？『メシア』の事とか、メモリのニンゲンへのイメージとか、メモリの誕生の仕組みとか……」

サラがふっと真面目な顔になり、ミルキーの顔を見た。

私は急に、自分の名前を呼ばれてびっくりして、ミルクティーを口に含みすぎて「あちっ」と小声で言う。




ミルキーは少したじろいだ。





サラさんの表情は、まさにデキル女って感じ。お仕事がバリバリできそう。



「色々ここの世界の説明はしたんですけども、『メシア』についてなどの説明はまだしておりません…。」


「はぁ？！ブタウサ、アンジュまだ『メシア』について話してないの？！じゃあ、なんでアンジュはこっちに来てくれたのよ！それに、メモリからのニンゲンのイメージとか、メモリの誕生の仕組みについて知らなかったら、困る事だらけじゃない！！…まったくもう！聞いておいてよかったわ…！」

サラはやれやれと肩をすくめた。

「サ、サラ…お話はよく分からないけど。ミルキーは、いろーんな事教えてくれたよ…？私の『空想』の事とか、メモリの『記憶』のこととか…その話は私、聞くから、ミルキーに怒らないで…ね？」

私はサラの肩に手を置いて笑いかける。

「あ、アンジュ…貴方、なんて優しい子なの！！さすが『彼女』の子ねッ！かわいいい」

サラは先ほどの表情とはガラリと変わり口元を緩ませ私にだきついた。


わぁ〜…もっふもっふだぁぁ…

思わず私も口元を緩ませる。





「…何やってるんですか…サラ…。」

そんな私たちをミルキーは白けた目で見た。


「何って、アンジュのこの可愛さを見て冷静でいられるほうがおかしいわよ。大丈夫？まぁ、ミルキーもビジュアル可愛いけど、なんか、話し方が堅いのよね〜。もっと、可愛さプラスした方が人気でるわよ。……それより、後で記憶都市メモリーと、メモリのお勉強会しましょうね、アンジュ。」


私はサラに抱きしめられながらサラの顔を見上げた。


お勉強会？