「わたしはどーせ、お子様よ!!もー、ミルキーなんて、知らないわ!」

その時ミルキーはハッとした顔になって私に駆け寄る。

「ア、アンジュ様はとても素敵なレディですよ!!お子様なんて…、とんでもない!」

おろおろするミルキー。

わたしは少しミルキーが可哀想になった。
今だって、「アンジュ様ぁ…」と上目遣い(ミルキーは身長が私の胸ほどの高さなので自然とそうなってしまう)で私の顔色を不安そうにそわそわとうかがっている。
だんだんと罪悪感が湧いてくる。

「ごめんね!!嘘だよ!ミルキー大好き!」

私はしゃがみ込み、とびきりの笑顔で腕を広げた。
すると、ミルキーは、ほっと安堵の表情を浮かべ、嬉しそうな顔で、てててっと走り、私の腕の中にぴょんと飛びついて、小さなふわふわの腕で、私にきゅっと抱きついた。


あああ…、可愛い。

この子を大事にしよう…。

守ってあげなきゃー…。

そうだ、私はお姉さんだった…。