なにか…、ふわふわとしたものが、一定のリズムで当たる。





ポフッ…、ポフッ…、ポフッ…、




これは、何?

すごく、心地いい…、気持ちいい…。






「…様ッ…、ンジュ様…、アンジュ様!!」

「ふへぇ?」

ゆっくりと目を開けると、可愛らしいピンク色の…

ああ、ミルキーか。あれは夢じゃ無かったんだ。
だんだんとはっきりとしてきた意識の中で思い出した。
後でわかった事だが、あのふわふわとしたものは、ミルキーの手だった。

「随分と長い間眠って居ましたよ。大体九時間ほど。
やはり、夜ふかしには慣れていないようですね。…、お体に負担がかかっていないと良いのですが…。」
懐中時計をポケットから出し、心配そうに私の顔を見つめる。


…なんか凄く子供扱いされている気がする…。
思わず私はムキになった。

「なによっ!!私は夜ふかししまくりよ!エブリデイ夜ふかし!こんなの平気よ!」


そう言い放った後私はハッとした。
口のはしには、よだれが垂れていたし、まだ寝ぼけていたせいか、すごく、トンチンカンな事言っていた気がする…。


「ぶはっ!!…、くくっ…、ひぃっ!」


ミルキー勢いよく吹き出すと、私に背を向けて小さく震えた。

どうやら、必死に笑いを堪えているみたい。

だんだんと顔に熱が集まっていくのを感じる。
恥ずかしい。